技術開発

9技術開発

130年を超える歴史を持つ東京の下水道は、これまで様々な事業課題に直面するたびに国内外から多くの先端技術を取り入れ、長年の経験と下水道に携わる技術者の創意工夫を組み合わせることで、下水道事業の課題に応えた技術の開発に先駆的に取り組んできました。

今までの技術開発の成果事例とこれから取り組む技術開発の事例を抜粋して紹介します。

<技術開発の成果事例>

画像センサーを用いた焼却炉閉塞抑制技術(令和2年度)

画像センサーにより焼却灰の色を測定し、AIによる深層学習から取得した推定式に適用することで、閉塞抑制指標値やりん含有率を推定し、閉塞抑制薬剤の最適な注入量を決定する技術です。薬剤注入量の決定が容易になり、りんに起因する焼却炉の煙道閉塞を防止し、汚泥処理の安定化に寄与します。

図1 画像センサー外観(左)、画像検査ボックス内部(右)
図1 画像センサー外観(左)、画像検査ボックス内部(右)
吸着剤(使い切り型)によるりん回収・資源化技術(令和2年度)

セメントに含まれる成分、非晶質ケイ酸カルシウム水和物を利用したりん吸着剤です。この吸着剤は、汚泥処理返流水に高い濃度で含まれるりんを効率的に吸着します。この働きによって放流水のりん濃度を低減するとともに、使用後の吸着剤は容易に回収が可能で、回収物は肥料の原料として利用可能です。

図2 吸着剤によるりん回収のイメージ
図2 吸着剤によるりん回収のイメージ

<今後取り組む技術開発>

雨水ポンプの運転支援技術

東京アメッシュの情報や、多機能型マンホール蓋からの水位情報をリアルタイムで集約し、AIが解析して、流入する水量等の変化を予測する技術の開発を進めていきます。

膨大な情報をAIが解析することで、運転員が余裕を持って雨水ポンプの起動などのタイミングを判断できることや経験の浅い運転員でもAIの支援を受けながら確実に雨水ポンプ運転を行うことが可能となります。

図2 AIを活用した雨天時のポンプ運転のイメージ

図3 AIを活用した雨天時のポンプ運転のイメージ

危険を伴う特殊環境での点検・調査技術

下水道管内で安定して飛行でき、搭載したカメラで管内の鮮明な映像を撮影できるドローンや下水道管中の夾雑物(きょうざつぶつ)の影響を受けずに安定して水上走行ができ、搭載したカメラで管内の鮮明な映像を撮影できるロボットの開発を進めていきます。

この技術によって、水位が高い等の理由で今まで調査困難であった下水道管内の調査が容易にでき、補修等の対応が必要な箇所を速やかに特定することが可能となります。

図4 遠隔操作による調査のイメージ

図4 遠隔操作による調査のイメージ

焼却過程で消費する電力以上に発電する技術

焼却炉に汚泥を投入する前に、乾燥工程を追加し汚泥の低含水率化を図ることで、燃焼効率を高めて発電量を増加させ、焼却炉以外にも電力を供給できる技術の開発を進めていきます。

この技術によって、外部から供給する電力を削減でき、温室効果ガスの排出量削減に貢献していきます。

図5 エネルギー供給型焼却炉のイメージ

図5 エネルギー供給型焼却炉のイメージ